私の中の深部が震える階層だけを集めた作品「靈」

私の体の中にも階層がある。そしてあなたの体の中にも。

どこが振動するのか、打ち震えているのか。が私の中のコンパスみたいなものなのだけども。今回ソロ公演用のストーリーを書いたり、曲を選んだり、振付をしたり、衣装を決めたり、会場を選んだり、そこに関わる人を決めたり、お客さんを選んだり。そういうことをしているときに、これしか選べないっていう感覚に何度も陥ったし、もうどういう空間が舞い降りるのか見えているからそれしかやっぱり選べないのだ。

頭でこれ良い!と思ったものは、ことごとく却下されて、心で良い!と思ったものも、今まで集めてきた作品のカケラの中に並べると全然違くて悪目立ちするし、単体で見たときは良いな〜!と思ったものが、全部と繋がるピースとして考えたら一ミリもときめかなくなる。

タイトルに関してもラストシーンも本当に何度も何度も私は抵抗して、違うものをつけてはしっくりこない感じを味わって、渋々「靈」にしたらやっぱり作品のピース一つ一つが共振共鳴するようになって、より一層の骨太感が増した。

階層っていうのを、言語化してみると。階層が深いところは自己から遠くなっていく。でもそこは本来の自分であり、かつ、融解されてもっと根源的な魂のルーツに近く感じ。つまり、本来の自分に近くっていうのは同時に自分を失うに近いのかも。難しいなぁ、言葉にするのは。意識がある世界と無意識の世界があって、実は無意識の世界の方がずっと深く広く大きくて、世界のほとんどはそちら側にある。

欲しい商品をAmazonとかで検索するときにまず「キーワード」を打って、さらにそれでも膨大な数ヒットしてしまうときは条件検索をするじゃん?(あ、Amazonよりも仕事探しや、家探しの方がしっくりくるかも)階層ってそれに近いかも!私たちが見たい世界は「現実」「物質」「思考」「感動」などの階層のものしか検索しない。だからヒットするものも、もちろんそれしかないんだけど。実はあるんだよね、感知していないだけで。私はこの打ち震えるものは何なんだろうっていう好奇心から、その条件のタグを全解除して検索してしまったら膨大な情報が出てきてしまったって感じ。

するとそこに、私の中の深いところで振動していたものに共鳴するようなピースがたくさん埋まっていて、それを集めたら、一つ一つは青いタイルでしかなったものが、パチパチパチパチ繋がって高いところから俯瞰したら、一枚の大きなモザイク画になっていたって感じ。

この世界は一体どうなっているんだろう?って本当に思う。これは思考してしまったり、自分が混じってしまうと解読できないもので、とにかく私はそれの意味はわからないから表に現すことだけをしてれば良いみたい。きっとそれを解読してくれる人が現れるんだと思う。

靈という字の三つの口はそこに繋がるための入り口で、雨と巫女がその入り口を通して繋がるってそんな作品をやらなきゃいけないんだ。当日はもしかしたら雨かもしれないなぁ。でもあの工場のシャッターの外で雨音が聞こえるってそれは素敵だろうな。

エネルギーは高けりゃ高いほど言い訳じゃないし、周波数も上げれば上げるほど言い訳じゃない。だって、イルカの声とか聞こえないじゃん。人間の中でも低いところから憑依させて上げていくから、伝わる作品になるんじゃないかっていう自論。だから、メンタルもフィジカルも今回の作品もすごく鍛えられる感じだ。

 

2018年7月7・8日 大瀧冬佳ソロ公演予告